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「面会交流の審判」・・弁護士・高井陽子

 面会交流につき、父に対して恐怖心を抱いている未成年者らの心情を考慮して、まずは、従前からできていた電話や手紙による間接交流の実施を重ね、未成年者らの不安や葛藤を低減していくのが相当であるとの審判が出された事例(奈良家庭裁判所:令和2年9月18日判決)
本件は、父である申立人が、母(元妻)である相手方に対し、当事者間の子である未成年者らとの面会交流を求め、その時期、方法等について審判を求めた事案です。
申立人は、段階的に、当初1ヶ月は電話、翌月はテレビ電話、翌々月は直接面会を実施したい旨求めていました。一方、相手方は、未成年者らの精神状態が不安定であり、長女が電話による面会交流も拒否していることを理由に、手紙や写真の送付などの間接交流から始め、今後状況が落ち着けば電話での面会交流に進む方法が望ましいと主張していました。
 また、本件では、婚姻中に申立人から暴言暴力があったとして、相手方がうつ病等の診断を受けており、長女についても申立人の言動等が恐怖体験となって蓄積したとして、心的外傷後ストレス障害等の診断を受けていました。
本件では、裁判所は、調査官調査で未成年者らの心情を丁寧に聞き取り、相手方の状況も聞き取った上で、未成年者らと申立人との面会交流につき姉妹一緒の実施とするか、直接の面会交流を実施するか、電話による面会交流を実施する場合の頻度・時間・日程調整方法、手紙や贈物の送付頻度、写真等の交付頻度等を詳細に定めました。
本件は、個々の事案に即した取り決めが求められる面会交流において、審判で詳細な取り決めをしたものとして参考になります。


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