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気になる裁判例

「バドミントンのダブルスプレー中のペア間の事故と賠償責任 (東京高等裁判所 平成30年9月12日判決) 」・・弁護士・齋藤崇史

 本件は、バドミントンのダブルスプレー中に、前衛と後衛の中間に飛んできたシャトルに対し、後衛が振ったラケットが前衛の左眼を直撃し、日常生活に支障をきたす程の傷害及び後遺症が残ったため、前衛が後衛に対し、逸失利益や慰謝料などの損害賠償請求訴訟を提起した事案です。
結論として、裁判所は、原告の請求を全て認めた上で、被告の主張した、スポーツ競技中の事故なので違法性がない、被告に過失があるとしても原告にも過失があるので減額すべき、といった主張を全て排斥しました。
 本判決の理由として、「スポーツであることを理由に加害者の責任が否定されるのであれば、国民が安心してスポーツを楽しむことができなくなる」としています。果たして、加害者の責任が肯定されたことで、国民が安心してスポーツを楽しむことができるのでしょうか。
 テニス、ゴルフなど、スポーツをされる方も多くいらっしゃると思います。訴訟の進行については、知る由もありませんし、また、おそらく和解の提案や努力もあったと思います。しかし、認容、棄却、この判決が出る前に、当事者、代理人、弁護士、そして裁判官に何とか和解をして欲しかった、と思ってしまいます。2020東京オリンピックを間近に控えたこの時期だからこそ、開催国民として、一考いただいきたいと思い、本判例をご紹介致しました。
「この裁判の解決は妥当だろうか」「今後の方針をどのようにしてゆけばよいのか」など、少しでも不安や疑問に思うことがございましたら、いつでもお問い合わせ下さい。御連絡お待ちしております。



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