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気になる裁判例

「共有物について遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合における共有物分割と遺産分割の関係」
・・・弁護士・水野賢一

 民法は、共同相続人間における遺産共有状態の解消手続として遺産分割の手続を定め、一方で通常の共有関係の解消手続として共有物分割の手続を定めています。このため、共有物について遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合で協議が調わないときに採るべき共有関係の解消手続が問題となります。例えば、父母子の三人家族の家(土地・建物)が父と母との共有となっていたところ、父が死亡したとします。そうすると、死亡した父の共有持分は相続人である母と子の遺産共有状態になり、母にはもともとの共有持分があることから、遺産共有持分と他の共有持分とが併存することになるのです。

 こうした場合で協議が調わないときについて、最高裁判所は、平成27年4月24日、「共有物について、遺産分割前の遺産共有の状態にある共有持分と他の共有持分とが併存する場合、共有者が遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係の解消を求める方法として裁判上採るべき手続きは民法258条に基づく共有物分割訴訟であり、共有物分割の判決によって遺産共有持分を有する者に分与された財産は遺産分割の対象となり、この財産の共有関係の解消については同法907条に基づく遺産分割によるべきものと解するのが相当である。」と判決しました。


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