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気になる裁判例

「会社法22条」・・・弁護士・梶 智史

 ゴルフクラブを経営するA社に対し,預託金を差し入れ,会員となっていた人が,会社分割の方法によりゴルフ場の事業をA社から譲受け,従前と同じ商号でゴルフ場を経営していたB社に対し,預託金の返還を請求した事件です。

 「預託金会員制のゴルフクラブの名称がゴルフ場の事業主体を表示するものとして用いられている場合において,ゴルフ場の事業が譲渡され,譲渡会社が用いていたゴルフクラブの名称を譲受会社が引き続き使用しているときには,譲受会社が譲受後遅滞なく当該ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特段の事情がない限り,譲受会社は,会社法22条1項の類推適用により,当該ゴルフクラブの会員が譲渡会社に交付した預託金の返還義務を負うものと解するのが相当であるところ(最高裁平成14年(受)第399号同16年2月20日第二小法廷判決・民集58巻2号367頁参照),このことは,ゴルフ場の事業が譲渡された場合だけではなく,会社分割に伴いゴルフ場の事業が他の会社又は設立会社に承継された場合にも同様に妥当するというべきである。」

 会社法22条は,事業を譲り受けた会社が,当該事業を譲り渡した会社の商号を引き続き使用する場合には,譲り渡した会社が当該事業によって生じた債務を弁済する責任を負うと規定しています。同条は,外観法理,すなわち商号続用という外観を信頼した債権者を保護するべきであるとの理由から設けられた規定です。

 本判決は,会社分割の場合にも会社法22条を類推適用することを認めたものであり,会社分割により不利益を被るおそれのある債権者の保護を図っています。


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