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気になる裁判例

                 「振り込め詐欺の被害者が,預金者の銀行に対する
                        預金返還請求権を代位行使することが認められた事例」・・・ 弁護士・吉川 愛

 振り込め詐欺に遭った時,騙されたと分かったら,すぐに銀行から振込んだ金額を取り返したいところですが,現実にはそう簡単には戻せません。
 銀行に振込まれたお金は,銀行のものではなく,振込口座の名義人のものとなります。銀行は,口座名義人に対して,預金返還債務を負うのみであり,被害者が銀行に対して有する直接の請求権は存在しないのです。
 振り込め詐欺は,その口座名義人が架空名義であったり,電話をかけてきた加害者の所在が不明であることがほとんどなので,現実的に相手方に直接請求することは不可能です。
 
 それでは,被害者は銀行にお金があることは分かっているのに,加害者が分からないということで,泣き寝入りをするしかないのでしょうか。

 東京地裁平成17年3月30日判決は,このような事態の一解決策となるものとなりました。加害者である口座名義人が,所在も明らかでない氏名不詳者である場合に,他に直接請求する方法が現行法上存在しないこと,氏名不詳者の財産と認められるのは,口座に入っている預金払戻請求権以外に見あたらないことを理由として,被害者の加害者に対する不当利得返還請求権を保全するため,銀行に対する加害者の預金払戻請求権を代位行使することができることとしたのです。
 この権利行使により,被害者は振込んだお金を取り戻すことができることになります。


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