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法律何でも相談

「血縁関係と法律上の親子」・・・ 弁護士・水野賢一

 私が無精子症であったため、妻は、第三者の精子提供を受ける体外受精で、令和4年3月に子供を産みました。夫婦でよく相談をして決めたことでしたが、子供があまりなついてくれないこともあって、最近では、自分の子として受け入れられなくなっています。このまま、自分の子として育てて行かなければならないのでしょうか。

 夫婦の間に産まれた子をちゃくしゅつし嫡出子といいます。第三者の精子提供を受ける体外受精で産まれた子も、妻が婚姻中に懐胎・出産した子であれば、嫡出子として推定されます。この嫡出子として推定される子との親子関係を否定する唯一の方法が、夫が子の出生を知った時から1年以内に提起する嫡出否認の訴えです(嫡出否認の訴えにつきましては、令和6年4月1日からは、子と母も否認権者となり、出訴期間も3年となります)。嫡出否認の訴え以外の方法で、嫡出子として推定される子との親子関係を否定することはできません。
 あなたの場合は、子の出生を知った時から1年以内に嫡出否認の訴えを提起していないので、その子は、あなた方夫婦の嫡出子として確定しています。あなたと子との間に血縁関係のないことは明らかですが、法律上はあなたの子なのです。自分の子として育てて行かなければなりません。
 ちなみに、あなたが子の出生を知った時から1年以内に嫡出否認の訴えを提起していたとしても、嫡出の推定を否認(親子関係を否定)することはできませんでした。「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律」の第10条が、「妻が、夫の同意を得て、夫以外の男性の精子を用いた生殖補助医療により懐胎した子については、夫(令和6年4月1日からは、夫、子又は妻)は、… その子が嫡出であることを否認することができない。」と規定していて、令和3年12月11日に施行されているからです。
 生殖補助医療の技術の進歩で、従前では子供の持てなかった夫婦でも子供が持てるようになりました。こうしたことなどから、血縁関係があれば親子で血縁関係がなければ親子ではないということに、法律上はなっていません。法律上の親子関係は、血縁関係とイコールではないのです。法律上の親となった人は、どのようにして授った子でも、法律上の子とともに成長して行く必要があります。



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