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法律何でも相談

「」・・・ 弁護士・高井陽子

 子供のいない叔母が亡くなり、叔母の兄である私の父も亡くなっているため、私が叔母の葬儀や遺産分割手続きを行うことになりました。しかしながら、私の父と叔母は兄弟姉妹が多く、その中には既に亡くなっている方もいます。また、今は疎遠になっている方もいるため、相続人が誰なのか、どうやって探したらいいのか分かりません。
 もし、所在が分からない人が相続人に含まれていた場合、今後の手続きはどのようにすすめたらいいですか。 また、叔母の葬儀は私が行うことになったのですが、葬儀にも費用がかかります。民法の改正によって、遺産分割協議前に預貯金の一部の払戻しが認められると聞きましたが、どのぐらい支払われるのでしょうか。

 遺産相続手続きを行うには、まず、相続人の範囲を確定させる必要があります。そのためには、被相続人(亡くなった方)の出生時まで遡った戸籍関係書類(除斥謄本、改製原戸籍)を取得し、被相続人の相続人を特定する必要があります。 本件は、叔母に子供はおらず、兄弟姉妹が多いとのことなので、叔母の除斥謄本から出生まで戸籍を遡り、叔母の兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっている場合には、兄弟姉妹の子供まで)の戸籍関係書類までを取得することになります。なお、相続開始時に兄弟姉妹の子も亡くなっていた場合には、兄弟姉妹の子の子(兄弟姉妹の孫)にまでは相続が及びませんので、その孫の分まで戸籍関係書類を取得する必要はありません。
 相続人の範囲が確定したら、共同相続人間で遺産分割協議をするために、当該相続人の住所を調査する必要があります。
住所がわからない場合には、戸籍の附票等を取り寄せて調査することになりますが、それでも分からない場合には、当該行方不明者を不在者(民法25条1項)として手続きを進めることになります。
 具体的には、共同相続人は、利害関係人として、家庭裁判所に対し、財産管理人の選任を求めることになります。選任された財産管理人は、裁判所の許可を得れば、共同相続人間での遺産分割協議に参加して遺産分割協議を成立させることができます。
 したがって、もし、本件の相続人に行方不明者がいた場合には、相談者が家庭裁判所に、当該行方不明者の財産管理人の選任を求め、財産管理人が遺産分割協議を行う許可を求めることで、遺産分割協議を進めることができます。
 次に、預貯金の払戻しですが、改正民法909条の2及び法務省令により、相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち、相続開始時の債権額の3分の1に相続人の相続分を乗じた額につき、150万円を限度として、各金融機関に単独で仮払いを請求することが認められました。
 したがって、相談者の相続分や被相続人である叔母の預貯金額にもよりますが、仮に叔母のA銀行での預貯金債権が900万円、相談者の相続分が1/6だった場合、計算式は900万円×1/3×1/6=50万円となり、相談者はA銀行に50万円の払戻し請求をすることができることになります。




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