■ Web版SUM UP


法律何でも相談

「袋地(囲繞地(いにょうち)通行権」・・・ 弁護士・高井陽子

 私は、先日、Aさんから他人の土地に囲まれた袋地(囲繞地)を買いました。この袋地は、公道に面していないため、Aさんは、本件土地のお隣さん(Bさん)の土地に作った道を通って公道に出ていました。本件土地は、Bさんの土地と元々は一筆の土地だったので、道を通らせてもらう費用は無償でした。
 しかしながら、私がBさんにご挨拶に伺った際、Aさんが今まで利用していた道を利用したかったらお金を支払ってほしい、お金を支払わないのであれば、もう私には通らせないと言われてしまいました。
 私はBさんにお金を支払わなければいけないのでしょうか。もし、Bさんに、この道に物を置かれたり嫌がらせをされたりした場合には、Bさんが置いた物をどかすことはできるのでしょうか。

 民法では、他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができると規定されています(民法第210条1項)。この場合、通行の場所及び方法は、通行権を有する者のために必要であり、かつ他の土地のために損害が最も少ないものを選ぶ必要があります(同法第211条1項)。また、通行権を有する者は、原則として、その通行する他の土地の損害に対して償金を支払う必要があります(同法第212条)。  ただし、一筆の土地の分割やその一部の譲渡によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができ、この場合には償金を支払う必要はありません(同法213条)。
 本件では、本件土地とBさんの土地は、元々一筆の土地でしたので、Aさんは、無償でBさんの土地の道を通っていた経緯があります。
 では、このようなAさんの無償での通行権は、Aさんから本件土地を買った相談者にも引き継がれるのでしょうか。  この点、判決では,袋地通行権は、袋地に付着した物件的権利であり、残余地自体に課された物件的負担として、土地の承継人にも民法213条2項に基づく袋地通行権を認めています(最判平成2年11月20日)。
 そこで、相談者は、Aさんの袋地通行権を承継することから、Bさんにお金を支払う必要はありません。
 また、通路上に妨害物が存在した場合には、袋地通行権に基づき妨害排除請求を行うことによって妨害物を除去することができます(東京高判平成13年4月26日)。
 したがって、相談者は、もし、Bさんが妨害物を設置した場合には、その妨害物をどかすことができます。
 ただし、相談者とBさんとの関係は、相隣関係としてこれからも続きますので、これらの事情を伝えて、話合いでの解決を試してみることをお勧めします。


[ TOPページ ]  [ 業務内容・費用 ] [事業所案内 ] [SUMUP ] [ お問い合せ

  (c)copyright akasakamitsuke sogo law &accounting office. all rights reserved.