■ Web版SUM UP


法律何でも相談

「隣の建物との間の塀」について・・・ 弁護士・吉川 愛

  私が所有している自宅と隣の家との境界線には、かなり昔から塀が存在しています。この塀がかなり老朽化して危険であること、また塀の高さも不十分でプライバシーが守りにくいことから、境界線の塀を新しく構築したいと考えています。
  しかし、隣の家の方に、相談をもちかけても、このままで問題ないといって取り合ってもらえません。この境界の塀はだれが作ったのかはっきりしないのですが、私が勝手に壊して、私の費用で壁を作り直すのであれば、問題ないのでしょうか。


  結論から言うと、壁について、あなたがお隣の方の承諾なく勝手に壊して、新しい壁を作ることは、あなた  の費用であってもやるべきではありません。

  民法上、境界線上に設置された塀についての所有権は、双方の共有と推定されています。
  民法上の共有ということは、塀の修繕については、あなたひとりで単独で行い、かかった費用について分担を求めることは可能になりますが、塀を壊して処分することは、共有者全員、すなわちお隣の方の合意も必要ということになります。これをお隣の方が反対している、又は明確に合意していないのに勝手に壊して処分してしまう、ということは、お隣の方の塀の共有持分を侵害したということになってしまいます。

  また、仮に塀を壊した後、境界線上に塀を建てようとする場合も、あなたが勝手に塀を建てることはできず、お隣の方に協力を求めることが必要となります。そして、お隣の方が協力してくれない、というような場合には、単独で境界線上には塀を設置することはできず、承諾を求める裁判を起こさなければならないということになります。勝手に境界線上に塀を設置した場合、境界線を越境した部分については、お隣の方の土地の所有権を侵害している状態を作ってしまうこととなります。

  塀を設置することの承諾を得た場合には、その費用は共同で出すことになるので、あなたが支払ったものの半分については、お隣の方に請求することができるようになります。

  塀の質については、高さが二メートルなど、民法上定められているものがあり、これを超えてよりグレードアップした質の塀にしたい場合や、塀の高さを高くしたいとあなたが望む場合には、そのグレードアップ部分の費用についてはあなたの負担となり、お隣の方に請求することはできません。

  いずれにせよ、お隣さんとの関係を今後良好に保つためにも、勝手にやるのではなく、きちんとお話し合いの機会を持ち、どうしても駄目ならば弁護士等第三者を介して適切な手続を通じて目的を達成するようにしましょう。


[ TOPページ ]  [ 業務内容・費用 ] [事業所案内 ] [SUMUP ] [ お問い合せ

  (C)Copyright AKASAKAMITSUKE SOGO LAW &ACCOUNTING OFFICE. All rights reserved.