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『相続による名義変更』・・・・・・・・・・・ 司法書士・露木 朗

先日父が亡くなりました。 相続人は母と弟、私の3人です。 父は不動産を所有していましたので、その分割の話し合いをしたところ、母が相続することになりました。 相続による名義変更手続をするにあたって、手順と必要書類を教えてください。

 相続による名義変更(所有権移転登記)手続は、遺産分割による場合、遺言による場合、あるいは法定相続で行う場合に大別されます。

 今回は遺産分割が整ったということですので、まず遺産分割協議書を作成することから始めます。 遺産分割協議書には、今回のように不動産の分割方法(物・人・持分)だけの場合もあれば、それ以外に預貯金・株・自動車・負債等があれば、その分割方法も記載できます。

 今回は不動産のみに限定します。
 記載方法ですが、不動産の表示は必ず登記簿どおり記載し、住居表示ではなく所在地番あるいは家屋番号、土地なのか建物なのかの記載は最低限必要です。それ以外の表示は任意で結構です。そして誰が(今回は母の氏名)、どのくらいの持分を(今回は全部)、との記載もしなければなりません。最後に相続人全員の署名とともに実印を鮮明に押印してください。遺産分割協議書には、各相続人の印鑑証明書を添付します。印鑑証明書は、必ずしも発行から3ヶ月以内でなくとも構いません。

 次に相続による所有権移転登記の申請です。 その際には、遺産分割協議書(印鑑証明書添付)の他にも必要となるものがあります。 まず、被相続人(亡父)の除籍戸籍謄本です。これは、15歳位から死亡時までのものが必要となります。祖父・父の代のものや、転籍している場合には転籍前のものなど、ずっと間が途切れずに取得し添付しなければなりません。ご本人で取得することが難しい場合には、司法書士の職権で取得することが可能です。

 第二に、相続人全員の戸籍謄本も必要です。

 そして第三に、今回相続する母の住民票と亡父の除票(住民票から除かれたもの)も必要となります。 戸籍関係で気をつけなければならないのは、戦争や災害で焼失してしまっている除籍謄本がある場合です。 この場合は相続人全員で、相続人は自分たちだけで他にはいない旨の上申書を作成する必要があります。その他に登記の際には、登録免許税を納付しなければなりません。 それを計算するために、課税台帳に登録されている評価証明書を用意してください。 そこに記載されている価格(1000円未満切り捨て)の1000分の2が登録免許税(100円未満切り捨て)となり、それを原則として収入印紙で納めます。 また司法書士に依頼する場合は、委任状もお忘れなくご用意ください。

 以上が相続による名義変更手続の手順・必要書類ですが、個々ケースによりプラスしなければならない書類がある場合があります。 ご注意ください。


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