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『利息制限法』 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 弁護士・河井匡秀  

「10日で3割の利息」などという高利貸しを最近良く耳にします。このような高利でもお金を借りた場合、きちんと利息も返済しなければならないのでしょうか。

貸金債権の利息については、利息制限法の規定により、利息の最高限度が定められています。利息制限法1条は、元本が10万円未満の場合は年2割、元本が10万円以上100万円未満の場合は年1割8分、元本が100万円以上の場合は年1割5分の利率を最高限度としています。

 これを超える利息を支払った場合、制限超過部分は元本に充当されます。また、制限超過部分を元本に充当すると計算上完済となったとき、その後に利息を支払った場合は、その利息の返還を請求することができます。

  ただし、「貸金業の規制等に関する法律」(以下、「貸金業規制法」といいます。)43条により、1.都道府県知事の許可を受けた貸金業者であり、2.債務者が任意に利息を支払った場合で、3.貸金業者が契約の内容を明らかにした書面(貸金業規制法17条)を債務者に交付した場合、または、4.受取証書(貸金業規制法18条)を債務者に交付した場合は、利息制限法の制限を越える利息を支払った場合でも有効になる場合があります。

 他方、あまりにも高利な利息を請求する場合には、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下、「出資法」といいます。)により、刑事罰が課されることになります。

 出資法5条1項は、金銭を貸し付ける者が、年109・5パーセントを超える割合の利息の契約をしたとき、または利息を受領したときは、3年以上の懲役、または300万円の罰金、またはこれを併科すると規定しており、同条2項は、業務として金銭を貸し付ける場合、年29・2パーセントを超える割合の利息の契約をしたとき、または利息を受領したときは、同じく3年以上の懲役、または300万円の罰金、またはこれを併科すると規定しています。

 従って、「10日で3割の利息」というのは、明らかに出資法の制限に反しますから、金銭を貸す者がこのような利息の契約をし、利息を受領することは、出資法5条により刑事処罰を受けることになります。また、このような場合、民事上も不法原因給付(民法708条)となり、債務者が支払った利息の全額を返還請求できることはもちろん、借りた元金についても返済する必要がなくなる可能性もあります。

 このような法律上の規制にもかかわらず、高利の貸付を行ういわゆる「街金業者」は非常に増えており、債務者を食い物にする例が後を絶ちません。また、その手口も悪質化、陰湿化しており、現在大きな社会問題となっています。「街金業者」からは絶対にお金を借りないようにして下さい。


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