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『マンションの騒音問題 』 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 弁護士・田原 緑 

私は、マンションに住んでいますが、上階の住人の騒音がひどくて夜も眠れません。何かよい解決方法はないでしょうか。

一口に騒音といっても、上階で物を落とす音からピアノの音、ペットの鳴き声、人の話し声等まで様々なものが考えられます。
 この中で、人の会話やテレビの音など、日常の生活音までもが聞こえてくる場合、隣家との境界壁の厚さやサッシの密閉性等、マンションの構造に問題があると考えられます。具体的には、建築基準法30条の2、同施行令22条の2において規定されている隣家との間の壁として用いるべき材質や厚さ、遮音性等に違反した欠陥住宅である可能性が高いといえるでしょう。

 このような場合、マンションの区分所有者が売主に対して瑕疵担保責任を追及(具体的には、契約解除あるいは損害賠償請求)することにより解決することになります。
 なお、騒音の鯨飲が手抜き工事ということであれば、同じマンション内の他の部屋についても、同じ騒音被害があるのが通常ですから、マンション全戸の騒音調査をしておくと、事実上売主と交渉しやすくなるでしょう。

 次に、ピアノの音やペットの鳴き声等の人為的な騒音についてですが、紛争を回避する為にも、たとえばピアノの練習時間を限定するとか、ペットは室内にのみ飼う等といった共同生活のルールを作り、マンション管理組合(自治会)がその履行を確保することが先決でしょう。しかし、マンション住民がそのルールを守らず、騒音を撒き散らしている場合には、問題が深刻です。

 もともとマンション内の騒音は隣人間の問題であり、また、当事者はいずれもずっとそのマンションに住み続けるのが通常です。ですから、基本的には、当事者間の話し合い、あるいは、管理組合などのアドバイス程度で解決できればそれに越したことはありません。しかし、それが無理ならば、騒音をやめさせるための差止請求あるいは騒音によって生じた損害の賠償請求をすべく、裁判所に対して調停を申し立て、それが不成功な場合には訴訟を提起せざるを得ません。

 その際には、その騒音が「受忍限度の範囲内であるか」が一番大きな問題となります。すなわち、社会生活を営む上で客観的に見て受忍すべき限度を超えた場合に、初めてその騒音が違法性を有すものと認められ、差止請求や損害賠償請求が認められることになるのです。(横浜地決S56.2.18他多数)。そして、受忍限度の範囲内か否かについては、公的規制の数値との関係、騒音の程度、時間帯、侵害されている利益と侵害の程度等の事情が総合的に考慮されることによって決められます。


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